ヴェルディ:レクイエム
トスカニーニ/NBC, Robert Shaw cho.
(1951, RCA)
(S)ネルリ (Ms)バルビエリ
(T)ディ・ステファノ (Bs)シエピ
※トスカニーニ・ヴェルディBOXより
トスカニーニ、吠える。とにかく凄みのある演奏。
Dies IraeのTp、超印象的。天からの怒りの鉄槌というのだろうか。
いきなり何か宣告されているようだ(笑)。
オケの和声の純度が高く、シンフォニックで厳格な響きが、
カラヤンへの影響を窺わせる。
テンポは速め、厳しいのは歌手に対しても同じで、不必要な歌いまわしは許さない。自分の歌うフレージングしか無いくらい完璧に、頭の中で理想の音楽が鳴っているのだろう。
柔軟なセラフィンとは対極かも。
コンパクトなテンポでヴェルディを最大限に鳴らそうとするのだから、オケにも歌手にも音の頭から常に正確に入る瞬発力が必要だ。
その緊張と集中力を1時間以上も保つのは、さぞ大変なことだろう。
よって、自然なベルカントでドラマを盛り上げているシエピは素晴らしい。彼だけがトスカニーニの歌の制限の中でも自由だ。Confutatisのソロは最高。アンサンブルも彼がリーダー。驚くほど安定する。彼のいるパートはトスカニーニのノリも3割増しくらい?
他の3人もちょっと伴奏に苦戦させられているだけで、別に悪いわけではない。預言者バルビエリはバックの合唱をギリシャのコロスに仕立て上げてくれるし、ネルリはリリコ・スピントな声で無難に仕事を果たしている。
ディ・ステファノはいつもの野放図な歌い回しが出来ないので調子狂ってる感じ(笑)。でもIngemiscoの上がり方なんかは彼らしい。
合唱はロバート・ショウ合唱団。ドイツ語じゃなければあまり気にならない。普通に盛り上げてくれる。Libera meの合唱のフーガ、歯切れ良かった。
(2008/9/30)

